先日「自分の中の調律」という言葉をnoteで見かけたのですが、とてもいい言葉だと思いました。
自分の欲求をコントロールすることを「自分を律する」と言いますが、それとは違い「調子のいい自分、現実と噛み合っている自分を維持する」という感覚で私は生きています。欲求を敵とみなして理性でコントロールするのではなくて、欲求を主体と捉えて、欲求を否定せずに現実世界に適応できるよう外側からガイドするイメージですね。他者を傷つけること自体が欲求でない限り、欲求中心の生活は社会の中で成立すると思いますし、その状態の自分は「無理をしておらず」「自分の実力が過不足なく発揮できている」ため、「精神的に充実」しており快適なのです。そういう調子のいい状態を私は「転がる」という風に表現しています。転がるまでは難しいのですが、転がり出したら勝手に回ってくれる感覚があります。しかし、転がるという言葉の通りこれは自分ではなかなか制御が難しいもので、調子の良い状態になればそれが持続しますが、反対に調子の悪い状態になった時に抜け出すことも難しいのです。皆さんの中にも、「悪いことが起こる」→「マイナス思考になる」→「出来ないことに意識が集中する」→「マイナス思考に気を取られて普通に出来ていたこともできなくなる」といった負のループを経験したことがある人もいると思います。
そこでこの記事では、私がやっている「自分を調律する方法」を紹介します。この方法を使って、私は負のループを防いでいます。どれも普通のことですが、続けることで効果が出てくるものです。思春期の頃から色んな本を読み試していった結果絞られた5つを今回ご紹介します。
そもそもなぜ調律してるの?
先に自分がどんな人間なのか説明します。
昔から自分の特徴として感じるのが、自分の頭がうまく転がる時と転がらない時期があるということです。転がる時はなんでも上手くいきます。言葉がすらすらと出てくるし、したいことが容易に実行でき、毎日が楽しく充実しています。実際にやりたいことを達成するのもこの時期です。しかし転がらない時は言葉がなかなか出てこないし、これまで出来ていたことも苦手になり、どこか噛み合っていない感じがします。ひどい時は挨拶も苦手になります。コミュニケーションに満足出来ないので自然と弱気になり、普段の態度や実行力が不足していきます。なんだか躁鬱状態と共通点もあると思うのですが、調子のいい時に散漫気質もなく散財もないので(むしろ調子が悪い時に散漫・散財する傾向にある)、自分の単なる特性として捉えています。
転がる時、つまり調子のいい時は、どんどん新しいことをやり遂げれるし、それまでの停滞が嘘のように自分の改善点に気づいて修正できます。例えばコミュニケーションにおいては、やりたいけどやり方が分からなかった話の展開が実現でき、そのコツや構造まで分かったりします。あたかも開かなかった引き出しが開かれた感覚です。反対に調子が悪い時は、これまで出来ていた話の展開がテンポやテンションが合わず上手くいきません。どうしても頑張ってる感が出てしまいます。
ただ、調子が悪い時期に調べたり見漁って得た引き出しのお陰で、調子のいい時にスムーズに成長できる、つまり調子の悪い時に溜め込んだストックの引き出しを調子のいい時に開ける、というイメージなので、両方の時期がほどほどに来るのが望ましいのです。
問題は、調子の悪い時期に上手くいかないと、自信の無さが「転がり続け」、悪循環に陥ることです。この状態になると復帰するのに時間がかかり、生活も乱れて精神的にもしんどいため、これを避けるために自分がやっていることが「自分を調律する」という行為なのです。この調子の良い悪いは、記録を取っている感じ1、2年単位のバイオリズムになっており、明確な原因はないのですが、3ヶ月ほど遅れて生じます。同じ調子で安定している人に憧れており、そういう着実な人間が一番カッコいいとも思いますが、私はいまだに安定できません。しかし調子が悪い時だけでなく良い時も「調律」を続けることでここ数年はやや安定的な人間になれています。
具体的にやっていること5選
さて、ここでは私がやっている調律方法を書きます。どれも普通なことです。いろいろ試したのですが、結局普通なことを続けるのが一番らしいという結論に達しました。
1.日記を書く
日記はかなり有効です。毎日淡々と記録をつけていくことで自信の低下に歯止めがかかります。日記でなくても、毎日続けていてその積み重ねが見える行動はやった方がいいと思います。
毎日同じ行動をすることで日々の小さな違いに気づけます。本で読んだのですが、機械式腕時計を毎日同じ時間に巻く人はその日の時計の調子がわかるようになるらしいです。他にも後で見返すと自分の嬉しいと思うことや目標の切り替わり方などの思考の癖が傾向として捉えられるのでメタ的な調律にも役立ちます。
ただ、日々の出来事を記録する日記は効果が薄かったです。1日を客観的に振り返ることで良い効果が得られるかなと思ったのですが、どうしても内容が長くなり短い時間に書ききれないことが増えていきます。そうするとそもそも書くハードルも上がってきてしまうんですよね。私はA4ノートに記録していた時期がありましたが、あまりに書く時間が長くなるため8ヶ月くらいで辞め、今では5行の日記に5項目を書いています。書いているのは自分の目標ややりたいこと、嬉しかった出来事、その日の学びなどで、この内容は今村暁さんの3分間日記という本を参考にしました。
2.継続を辞めない
日々続けていることがあるならとにかく10分でもいいから毎日続けることです。「今日は疲れたからいいか」とか「眠いからもう寝ちゃおう」の前に少しでも何かすることで日記と同様に自信と日々の違いに気づけるようになります。
私はギターをしばらく続けています。やりたくない日もとりあえず触ります。夜はすぐ寝たくなったり別の予定が入ることもあるのでなるべく朝に触るようにしていますよ。
また、毎日絵や文章も書いています。これは自分の中で一語一絵活動と読んでいて、それぞれ15分〜30分くらいかけて絵や文章を書き、SNSやブログにアップしています。どんなに忙しくてもやること、その工夫をすることが大事です。これも夜はやっぱり時間的に難しくなりがちなので朝にやっています。日々継続ですね。
3.早寝早起きをし、いつもより掃除や手入れをする
健康的な生活で自己肯定感が上がるのは大半の人がそうなのではないでしょうか。私は高校生から大学生の頃、夜の住民でした。理由は朝が起きられないことと、夕方から夜にかけてやる気が出てきていたからです。しかし社会人になり、定時で働くようになるとどうしてもそんな風にはいきません。いつものようにお昼寝できなくなったので夜眠いんですよね。そんな労働から解放されたいですが、ひとまずは早寝早起きを心がけ、朝4時から5時くらいに起きる生活を続けています。私の中のコツは、目覚ましを使わず起きることです。無理矢理目覚めても、眠くて起き上がれませんからね。
4.苦手なことは徹底的に避ける
私の尊敬する経営難に陥っていたUSJや丸亀など多くの企業を劇的に経ち直すやり手のマーケター兼実業家の森岡毅さんも、著書の「苦しかった時の話をしようか」のなかで「得意を伸ばせ」と言っています。「弱みが強みになったところを見たことがない」「必ず強みから成功する」という言葉が印象的ですよね。
得意なことだと必ずイキイキすると思います。今何かが噛み合っていないと感じるなら、何か苦手なことに直面して、それをなんとか消化しようとしているからです。自分の周りを得意で快適なものに固めてしまえば、変なストレスなどはありません。調子が悪い時に苦手なことをしても落ち込むだけです。苦手なことはストレス耐性が強くなる調子の良い時にすればいいし、そもそも悲しいことに、あれだけ気にしていたストレスの原因も、上手くいっていると悩んでいたことも馬鹿らしくなるくらいどうでも良くなる経験も多いです。
5.自分の判断基準や悪循環を書き出し記録する
なんだか記録が多い気がするのは自分の性格のせいなんでしょうか。
日記の時に書きましたが、毎日の出来事を記録し続けるのは私には向いていませんでした。どうしても冗長になってしまい、何を書きたかったのかがぼやけてしまうからです。しかし自分がマイナスな気分になってしまった原因を書き出すのはかなり効果がありました。頭の中だけだと、どうしても同じことを何回も考えてしまいます。それがプラスの感情なら問題ないのですが、ネガティブなものを繰り返すともったいないですよね。ノートに自分が気にしている判断や出来事を書き、何がそんなに気になっているのかを書き出すことで、噛み合っていない理由を探ることが出来ました。
ただ、内容が長くなりすぎて毎日続けるにはちょっとしんどいですね。嫌なことが会った時に書いて保存しておくくらいで、他の4つとは少し使い方が違います。
例によって傾向なども分かります。あるときは気にならないことがあるときは深刻な問題に思えたりします。
毎日継続することが調律につながる
とにかく毎日継続することですね。その理由は何度も言いましたが、
- 毎日続けることで自信になる
- 着実な成長につながる
- 自分のちょっとしたバイオリズムに気づける
からです。皆さんもよければ参考にしてみてください。(終わり)
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